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ボリビアで偶然出会った青年。 ましてや、ボリビアのカカオ産業のため おいしいチョコレートをつくりたい。 ただ、おいしさのため。それがすべてだった。 |
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2019年に、カカオの産地である南米を訪れた。その旅のなかで偶然出会ったボリビア人青年・アブラハム。じつはいま、彼と一緒にカカオ農園を作っている。 |
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こちらからの「一緒に農園を作ろう」という提案に、カカオ農家としての最後のチャンスとばかりに飛び込んだ彼だったが、まだ迷いもあった。ひとつは、最近子どもが生まれたばかりで、リスクを負えないということ。もうひとつは現地の事情による、さらに根本的で複雑な事情。彼が暮らすのはとても小さな村で、ゆえにひとりだけ優遇され、唐突に道具や資金が入ってしまうと、大きな問題が起きてしまう可能性があるというのだ。 |
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南米では、世界のNGO団体が作った建物をあちこちで見かけた。その多くは、本来の機能を果たしていない。じつは、ボリビアで滞在した宿のひとつもそうして建てられた巨大な病院で、さながら廃墟だった。なにせ、現地には医者もいなければ、医薬品も届かない。水洗トイレを設置したところで、水がないから流れないし、誰も掃除なんてしないから、次第に荒れていく。部屋にはインターネットのジャックがあるが、そもそものネット環境がない。とはいえ病院として作られているから、なまじ村のひとが住むというわけにもいかない。いくら善意で巨額のお金をつぎ込んでも、それだけではほとんど意味をなさない。虚しいけれど、それが現実なのだ。 そんな現地の実情を目の当たりにしてきただけに、アブラハムが迷うのは、無理もなかった。では、ほかに彼を支援する方法はないか……。考えた末に出した答えは、技術や知恵を提供することで、小さな成功モデルを作るというものだった。 |
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カカオの研究所を作り、栽培法や必要な道具の設計図などのノウハウを提供する。そうして、1キロ1ドルだった豆を、1キロ5ドルで売れるようにする。その成功モデルを、アブラハムがリーダーとなり、ボリビア全体に共有する。いずれ世界一のカカオを作ることも、けっして夢ではない。 アブラハムの目下の目標は、ブラジルで高品質な豆を作っているジュリアナの農園に近づくこと。木の高さをどれくらいにするか、草刈りをどうするか。いまは3〜5種類ほどしかないカカオの品種を、どうやって増やしていくか。収穫したあとには、発酵についての課題もある。とにかくやることは山積みだし、自然相手なので一筋縄ではいかない。でも、アブラハムならきっと成功する。そう確信している。 彼には、いずれ日本にも来てもらおうと思っている。作ったカカオ豆が、どのように加工され、店に並び、誰にどんなシーンで食べられているのかを見て欲しいからだ。 |
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ひとあし先に、 春の到来を告げる〈SAKURA〉バーは、その名のとおり、華やぐ桜にインスピレーションを受けて生まれた限定タブレット。ペルー産パロブランコのカカオ豆を使ったミルクチョコレートに、桜がふわり、やわらかく香る。そのヒミツは、「トンカビーンズ」。やさしくパウダリーで、気品ある甘い香りをただよわせるマメ科の植物素材であり、とりわけ香り高いベネズエラ産のものを選んだ。ひとあし早く、春の風物詩を味わおう。 *2020年3月16日(月)にオンラインショップ及び店舗にて発売予定 |
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