1. CACAO JOURNEY
    私たちの“旅路”をレポート

 

2. WHAT'S UP BOSS
    代表の安達建之によるコラム

 

3. BE CACAO LOVERS
    ちょっと深い商品のお話

 

チョコレートバー〈東京〉に混ぜ込まれる、
甘くまろやかな塩「満月のシホ」。
満月の頃の海水からできたそれには、
目には見えないエネルギーが、
どうやらこもっているようだ。

つくっているのは、伊豆大島に暮らす一家。
まさに塩づくりのために、
一念発起して移り住み、45年。
なみなみならぬ想いと、自由奔放な発想で、
“自然塩”の復興をなしとげた。

訪ねてみると、迎えてくれたのは
藪を切り開いた地に突如現れる巨大ドーム。
塩づくりは、そこからはじまる。
そのあらましについて。

「満月のシホ」をはじめとした“自然塩”をつくる阪本さん一家は、昭和51年に伊豆大島にわたってきた。1代目である章裕さんが塩づくりをはじめたきっかけは、20代の頃に体調を崩したこと。米・塩・水が人のからだにとっていかに大切かを、身をもって実感した。

当時は、自然塩のかわりに、試薬塩化ナトリウム(食塩)のみが食卓に並ぶと決まった時代。食塩は天候に左右されず大量につくれるいっぽうで、海水に含まれる多くのミネラルは失われてしまう。日本人のからだのためにも、自然塩を絶やしてはいけない。その想いひとつだった。それから45年間、ここ大島で、たゆまず塩をつくり続けている。

案内されたのは、幾何学的なフレームが連なってできた、巨大なドーム型の施設。なかを覗くと、ドームの内周を囲むように並んだノズルから、水が噴霧されている。大島の地下から汲み上げた、ミネラル満点の深層海水だ。

このドームが、塩づくりの出発点。噴霧された海水は、ふたたびポンプで汲み上げられると、また噴霧される。繰り返すうちに風と太陽熱にさらされ、徐々に水分が抜けていく。およそ1ヶ月かけて、じっくり海水を濃縮させるのだ。

そうして濃度の増した海水を、ドーム施設横の作業場にある濃縮槽に移し、さらに5分の2以下の体積になるまで、2昼夜かけて濃縮。それを結晶釜で沸騰させると、水面から徐々に結晶化がはじまる。キラキラと輝きを放ちながら結晶化するさまは、塩の別称である“海の華”さながら。「まるで、1ヶ月以上てまひまかけきたことへの、ご褒美のよう」と、2代目の洋未さんは話す。できた結晶は、遠心分離機にかけることでにがりと分けられ、かくして、自然塩ができあがる。

ところで、自然塩の生成に使われている大小の装置や道具のほとんどは、なんと、章裕さんのお手製。2年かけて建てられた巨大ドームをはじめ、都度やり方を考え、工夫をこらす。なにからなにまでこしらえてしまう。それも、「父が、面白がりながら」と洋未さんが話すように、章裕さんの気質のなすところ。

塩の基本のつくりかたがわかったところで、では、満月のシホの製法は? と聞けば、「まるっきり同じ製法なんです」。さらりと、意外な答えが返ってきた。

ひとえに、素材の違い。

「満月の日には、カニやエビが脱皮をしたり、サンゴがいっぺんに産卵したり。なにか特別なちからが働いているのはたしかですが、不思議なもので、いまだ解明されていないことだらけ」。章裕さんが満月のシホをつくりはじめたきっかけも、お産と月の関係だった。「娘が出産するときに産婆さんが、『お産と満月は切っても切れない関係にある』というような話をしていて、じゃぁ満月の塩というのは面白そうだな、と。たんに、それだけなんです」。

ひとの体に欠かせない自然塩をよみがえらせたい、という信念に下支えされながら、面白がって、工夫をこらす。その剛柔のバランスが、満月のシホを生んだ。製法に違いはなく、美味しさの理由もわからない。とはいえ、生成過程においては結晶の大きさやアクの出方など、目に明らかな違いがある。できた塩をひと舐めしてみると、ほんのりわずかながら、たしかなやわらかさ。口いっぱいに広がり、じんわりと、からだに沁み入る。

 
 
 
 
 
 
 

みなさんこんにちは!
greenスタッフです。

今回は「〈東京 -満月の塩-〉DOMINICAN REPUBLIC70%」をご紹介します。
現在、東京の店舗とオンラインショップのみで発売しているチョコレートバー。1年前、日本橋店オープンを記念して発売されたものです。

〈東京 -満月の塩-〉DOMINICAN REPUBLIC70%」の詳細はこちら

バーに混ぜ込まれているのは、伊豆大島OHSHIMA OCEAN SALTさんの「満月のシホ」。先の記事でもご紹介した通り、想いを込めて作られているお塩に合わせたのは、ドミニカ産のチョコレート。葡萄ジュースのようなジューシーさと、クローブのようなスパイシーさ、かと思えば、ラムネのような爽やかさも!そんな、ビーントゥバーならではの複雑な表情かつ、お塩に負けない力強さです。「満月のシホ」と出会うことで、お互いが混じり合い、塩味と甘味のバランスが絶妙に。一度食べたらクセになる一枚が誕生しました。

そして今月届いた嬉しいニュースをひとつ!

この度、全世界を横断して優れたチョコレートを評価する世界的コンクール「International Chocolate Award Asia-Pacific2020」にて、〈東京 -満月の塩-〉DOMINICAN REPUBLIC70%が金賞を受賞することができました。審査はチョコレートの味わいだけではなく、レシピや、テクニックなども評価の項目に入ります。一枚一枚手作りで丹精込めた、我が子のようなチョコレート。こうして賞を頂けることは、本当にうれしいことです。お塩をご提供頂いているOHSHIMA OCEAN SALTさんをはじめ、greenのチョコレートを愛してくださる全てのお客様に、感謝を込めてご報告いたします。

 
 
 
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