ポルセラーナ、ペンダゴナ、グアサーレ……
魔法の呪文ではない、
どれもカカオの品種の名前だ。

近年、その数は20にもわたるとされ、
いまなお、新種が発見され続けているという。

風味や香り、質の良さなどを区分する
基準としての品種だが、カカオの場合、
これが厄介至極、一筋縄ではいかず、
もはや意味を成さなくなっている。

ならば、どうすべきなのか。
シンプルかつ、真逆の視点からの答えを
“彼女”が教えてくれた。

「いまや、純粋な品種は存在しない。そう言って過言ないでしょう」そう、きっぱりと告げるのは、green bean to bar CHOCOLATEのアドバイザーを務めるクロエ ドゥートレ・ルセールさん。

カカオとチョコレートの世界におけるコンサルタント、教育家として35年のキャリアを持つ彼女。カカオの研究機関HCP (Heirloom Cacao Preservation) のテイスティングチームにも所属しており、言うなれば、カカオのプロフェッショナルだ。

「カカオの品種にまつわる話は、とても複雑でややこしいものです」。いたずらっぽく笑みを浮かべ、そのように前置きした。「“品種”というラベリングは、カカオの世界においてあまり意味を成しません。というのも、カカオというのはとても容易に交配してしまうから。ポルセラーナ種、ペンタゴナ種、グアサーレ種、アルミドナド種などが代表する原種は、いまでは全体のほんの数パーセントに満たないのです」

「いっぽう、交配の容易さを利用して、少なくともこの50年間、主要なカカオ研究所は効率的で病気に強い品種を作ることに重きを置いてきました。それらの良し悪しは味で決まるわけではなく、1ヘクタールあたりどれだけの実をつけるか。しかし、近年ビーントゥバーのムーブメントが広がり、世界中のチョコレートメーカーが優れた味を求めるようになったのを受けて、研究者たちもようやくテイスティングを始めた。つまり味が重要視されるようになったのは、ごく最近のこと」

そんななか、彼女もテイスティングチームの一員として所属する研究機関HCPでは、世界中のカカオから質の高いものを見つけ出し、保護する活動をおこなっている。「HCPの研究においても、“最高のカカオ”とは品種や遺伝子によるものではありません。あくまで、味で選ばれたもののこと。味がいいとされてはじめて、その美味しさの理由について分析を進め、遺伝的な研究を進めていきます」。

もちろん、多くのファインチョコレートのパッケージには品種が記載されている。ただし、それはけっして品質を保証するためのものではないことを覚えておきたい。本当にいいチョコレートを見極めるには、まずもって、やはり味なのだ。

 
 
 
 
 

アーティスティックな
ルックスと食感をティラミスに。

渋谷と福岡にある「WHITE GLASS COFFEE」には、green bean to bar CHOCOLATEのチョコレートを使った、そこでしか食べることのできないをケーキや焼き菓子がある。なかでも人気は、注文ごとにひとつずつ仕上げて提供される「ティラミス」だ。見てのとおり真ん中に“板”が挟まっている。ミステリアスで、まるで前衛的な芸術作品みたいだが、じつはこれ、タンザニア産の板チョコ。生地のやわらかさに合わせた厚さ2mmで、フォークを入れればパリッと軽快に割れる。コーヒーとの相性も、言わずもがなだ。

 
 
 
 

素材を選りすぐった、
“あまじょっぱい”の最高峰。

地球と月が影響しあい、目に見えないエネルギーが溢れる満月の頃。その時期に取水した海洋深層水100%を、太陽熱や風など自然のエネルギーで凝縮、じっくりと熱を加えることで生まれた塩が「満月のシホ」。ミネラル分を適度に含み、甘くまろやか。それを贅沢に混ぜ込んだチョコレートバー〈東京〉は、ベネズエラ産カカオ豆を使用した〈CHUAO〉がベース。いわゆる“あまじょっぱい”とはひと味違う、素材のパワーを堪能したい。

 
 
 
 
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