新しい店舗を出すのは、
簡単なことではない。
立地やその他の条件もさることながら、
ブランドとしての価値もおのずと問われる。
今でいいのか。ここでいいのか。
決断はむろん、慎重にならざるを得ない。

さらに大切なのは、情熱だ。
そこに相手の熱い思いがあって、
自分たちも思いに応えられるかどうか。
互いにとって特別な意味を
そこに感じ取ることができたなら、
ようやく、一歩を進めることができる。

日本発のビーントゥーバーブランドであることは自分たちにとって大事なことで、だからこそお店は日本の伝統を感じられるところがよかった。東京の日本橋にお店を出したのも、そうした理由からだった。江戸の城下町として栄えた日本橋には、さまざまな伝統文化を受け継ぐ店が今なお数多く存在し、本物が分かるお客様に届けることができるだろうと思ったのだ。

じゃあ次はどこだろう。イメージしていたのは古都だった。鎌倉や金沢……京都は中でも本丸で、もし機会があれば出店してみたいと、旺盛な意欲を持っていた。

この考えに至ったのはその頃、京町家に対する関心がにわかに増してきたという理由もあった。格子戸や犬矢来など、意匠のひとつひとつに改めて心を奪われることが多く、また「ダンデライオンチョコレート」や「ブルーボトルコーヒー」といったアメリカのブランドが、町家を改装し出店をしていたのも、いい刺激となった。

ただ同時に、多くのリスクも伴っていた。京都らしいとも言える高温多湿の気候は、チョコレートの商品管理が極めて難しく、それが古い建物であればなおことのだからだ。

そんな折も折、舞い込んできのが「新風館」の話だ。

もともと京都中央電話局として建てられた、鉄筋コンクリート造の洋館を改築、商業施設として2001年から2016年まで営業が行われていた「新風館」。そして2020年の春「『伝統』と『革新』の融合」というこれまでのコンセプトを継承。建築家に隈研吾氏を迎え、全館に渡り新しく生まれ変わるというのだ。

中でも核となるトピックスは「エースホテル京都」の開業だろう。アメリカ発の、いま一番ヒップなデザインホテルが初上陸するということで、業界内外で大きな注目をかっさらった。(写真はパームスプリングのエースホテル)

きっとここなら、green bean to bar CHOCOLATEの世界観を伝えられる。なんとしてでも出店したい。運命を感じた。

ただ商業ゾーンには、他にも多くの立候補があったとかで、テナントの選定には大いに難航を極めたようだった。施設側のみならず、エースホテル側の意向も反映され、何年にも渡って検討が重ねられた。そのたび自分たちは何度もプレゼンをし、ブランドとして大切にしている、日本発のビーントゥーバーブランドであること、現地に足を運びカカオを採集していることなどを、ありったけの情熱で伝えた。そうして昨年、ようやく出店が正式に決まったのだ。

施設の担当者に理由を聞くと、彼らはこんなふうに教えてくれた。
「直接お店に行った時、働いているスタッフがみんなチョコレートが好きで、それが分かる心のこもった接客していたこと。そしてガラス張りの向こうにはラボがあり、職人たちが一生懸命作っているようすが見れたこと。それが決め手になったんです」

こうした現場を見てくれての評価が、本当にうれしかった。期待に応えたいという思いをさらに強くした。

そうして、green bean to bar CHOCOLATE京都店のプロジェクトが始まった。(つづく)

 
 
 
 
 

関西初の店舗が京都にオープン!

アジア初進出の「ACE HOTEL 京都」も入る複合商業施設「新風館」に、green bean to bar CHOCOLATE 京都店がオープン予定。これまでとは一線を画す趣の内装や、京都の老舗店とコラボレーションした限定バーの販売もあり。

*オープン時期は決まり次第ご案内いたします。

 
 
 
 
 
 

チェリーとチョコレート。
春気分高める酸味の競演。

春の限定ケーキ「ブランフルール」は、甘酸っぱくて口当たり軽やか。だから、日に日にあたたかくなってくるこの時期にぴったり。グリオットチェリーのムースとチョコレートのムースの二層仕立てで、あいだにグリオットチェリーのソテーをはさみ込む。チョコレートは、チェリーと相性のよい酸味が特徴のドミニカ70%。つやつやの白いグラサージュが、まるで春に誘われて咲いた白い花のよう。酸味も和らげてくれる。

BLANC FLEURS(ブランフルール)
600円(税抜)

 
 
 
 
https://greenchocolate.jp
 
 
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