つねづね考えていた。
美味しいチョコレートをつくるからには、
いつか、カカオからつくりたいと。

これこそがBean to Barの本懐とも言えることだが、
当然ながら、一筋縄ではいかない。

農園に資金を投入し、
優れた設備を建てればいいだろうか?
簡単かもしれないが、できればやりたくなかった。

資金や技術を注ぎ込むだけでは、
持続的に生産することはかなわない。
現地の文化や経済状況……実情を知るほどに、
そう思うようになってきた。

そんなある日、ひとつの出逢いがあった。

じつはいま、ボリビアの青年と一緒にカカオ農園をつくっている。                            

2019年、カカオの産地である南米の国々を訪れていたときのことだ。ボリビアでの旅程の最後に、ある村の農園に立ち寄った。そのあとも長く移動が続く予定だったため、腹ごしらえも兼ねていた。農園の見学と昼食を終え、いよいよ出発しようというとき、その村の奥にもうひとつ農園があり、彼も昼食を用意しているからぜひ行ってくれないか、というのだ。

その農園までは距離もあるし、大きな川をひとつ渡らなければならない。すでにお腹も満たされていたし、正直、それほど乗り気ではなかったが、結局行くことにした。

そこはアブラハムという青年がひとりで管理している、小さな農園だった。着くやいなや家に案内されたのだが、あまりに綺麗で整っていたので、とにかく驚いた。というのも基本的にボリビアでは、掃除や管理が行き届いた家はごく稀なのだ。

彼の妻が、巨大なナマズを天ぷらにしたものをふるまってくれた。その旅程で食べたどんな料理より美味しかった。

この青年は、何か違う。直感的にそう思った。

たとえばgreen bean to bar CHOCOLATEの店舗も、つねに綺麗に整った状態を保つよう、日頃から意識している。美味しいチョコレートをつくることを第一義に、必要なことをする。アブラハムの行動も、それに通じていると感じた。

彼とはこの日初めて会い、1時間ほどを過ごした後、私たちはペルーに向かった。ペルーでは、世界一の農園を訪れた。green bean to bar CHOCOLATEがサロン・デュ・ショコラで賞を獲ったカカオも、そこでつくられている。相変わらず素晴らしい農園だったが、私は、アブラハムのことがどうしても気になっていた。

農園で感じたことを確かめたくて、次に訪れる予定のブラジルに、彼を呼ぶことにした。(つづく)

 
 
 
 

愛らしいルックスに忍ばせた、
食感と風味のレイヤー。

ぷっくり、つるん、とキュートなホワイトデーケーキ「エマーブル」。フルーティなチョコレートムースの下に忍ばせるのは、甘酸っぱい風味が特徴のフレーズデボア(野いちご)のコンポートとジュレ。底に敷いたのは、ほろ苦さと食感がアクセントのビタークッキー生地。仕上げに、トップに満開のチョコレートの花をたたえた。愛らしいルックスとは裏腹な、複雑な味わいに酔いしれたい。3月14日まで、店頭のみで販売中。

「 AIMABLE エマーブル」
750円(税抜)

 
 
 
 

ホワイトデー限定バーには、
食感ゆたかな和素材をイン。

2020年ホワイトデー限定バーは、独創的なふたつのフレーバー。「MIKAN」には、熊本・にしだ果樹園のオーガニックみかんを使用。ベースは、爽やかな風味を優しく引き立てるペルー産パログランコのミルクチョコレート。「GENMAICHA」には、厳選した「上玉露玄米茶」を使用。玉露のまろやかな甘さと玄米の香ばしさが、ペルー産マラノンとタンザニア産のカカオ豆のブレンドチョコレートと調和する。それぞれにみかんピールと玄米が入っていて、風味と食感の個性をぐいっと引き立てる。

 

WHITEDAY -MIKAN-

WHITEDAY -GENMAICHA-

各¥1,800円(税抜)

 
 
 
https://greenchocolate.jp
 
 
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