ビーントゥバーの職人を育てる。

October 21, 2022

 
 
 
 

1. CACAO JOURNEY
    私たちの“旅路”をレポート

 
 

2. WHAT'S UP BOSS
    代表の安達建之によるコラム

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

チョコレートづくりは人生と一緒で
何が起こるか分からない。
だからその時々で対応できるよう
自分がやっていることの理由を
ちゃんと理解しておくことが大切。

ビーントゥバーを手がけるなら
職人であるべきだとクロエさんは言う。

原材料をよく知ること。
品質をよくすること。さらには
カカオが育つ自然にも気を配ること。

目の前で起こっていることだけでなく
全てを知ってほしいと
スタッフ研修に情熱を注いでいる。

機械と上手に付き合い
時間を有効に使う

クロエさんの研修の日、カカオ豆のテストと並行して、ラボではコンチングが行われていた。カカオニブをグラインダーで粗いペーストにし、コンチングマシンでゆっくり練り上げる作業だ。

じつはこの日、グラインダーが不調だったため、中を開けて対策を施した。チョコレートを作るには機械と仲良くなること。どういうやり方をしたらもっとおいしくなるか、もっと効率がよくなるかを意識することが大切だとクロエさん。チョコレートの温度を常にチェックし、途中で味を確かめ、そのつどメモを取る。失敗したときに振り返ってどこが悪かったのかが分かるようにと。

ペースト状のカカオをコンチングマシンに移す。「投入する位置は石のローラーが当たるところがいい。ラボの室温は暖かくしてね。カカオ豆の産地によりカカオバターの質が違うから、ペーストになったときの粘性が違う。だからマシンの温度やスピードはそのつど変えて……」

コンチングマシンにペーストを入れていくと、その重みで機械がストップした。そこでいったん機械を止め、温風機で全体を温め、再度ゆっくりと回していく。「他の作業をしている時も常にマシンの音を聞いて、不調があったらすぐに対処すること。この豆は、グライディングしたそばからマシンに入れると量が多すぎるのね。チョコレートに合わせた人の動きを考えましょう」

何か作業をするときに、なぜ他のやり方ではなくこの方法なのか。スタッフたちが理解した上で自ら行動できるよう、クロエさんは限られた研修時間をめいっぱい使って職人の心得を話し続けた。

チョコレートづくりは魔法

14歳でフランスに移住し、現在はパリに拠点を置きながら、世界中でビーントゥバーチョコレートの伝道師として活躍するクロエさん。意外にもお膝元のフランスはチョコレートに関して保守的で、10年前は誰もビーントゥバーに興味を示さなかったそうだ。2018年以降は少し変わってきているが、ビーントゥバーの哲学に基づいておいしいチョコレートを作っているメーカーは片手で数えるほどだとか。

改めて、クロエさんにとってビーントゥバーチョコレートの魅力とは?との質問にはこう返ってきた。

「魔法みたいなの!作るごとに発見があって、驚かされます。それに、チョコレートはみんなを幸せにすることができる。いつもは大人ぶっている人たちも、チョコレートを食べた瞬間に子どもの笑顔に戻るところね」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Vol.126

アスリートの世界

東京・有明コロシアムにおいて、テニスの国際大会、ATP500( 楽天ジャパン・オープン)が開催されました。
国際大会の中で3番目に大きな大会であり、世界のトップ選手達がこの時期東京に集結します。本戦1R、内山靖崇(日本) vs フランシス・ティアホー(アメリカ)の試合に行きました。内山選手は、世界の70位台に入ったことのある選手で、現在も日本代表メンバーの一人です。今回は、彼のコーチである増田プロと一緒に、コーチの解説を聞きながら応援させてもらいました。

日本でプロ選手になれるのは、年間で1〜4人くらい。狭き門です。
彼らが子供の時にどんな生活を送っていたかというと、幼稚園や小学1年生の頃からテニスがスタートし、小学校高学年での練習は1日3〜4時間、週5〜6回。帰宅するのは22時を過ぎ、さらに朝練が加わります。強くなっていくと海外遠征も出てくるので、学校を休むことも多くなります。夏休みや冬休みは大会シーズンなので、1年中家族が協力し、練習と大会、遠征のサポートを行うのです。
高校生になるとホームスクールや通信過程に進むか、テニスの強豪校に入学し、競技漬けの生活を送ります。

その中から狭き門をくぐり抜けた2〜3人がプロの世界に挑戦し、世界中から集まった約3000人がグランドスラムを目指しています。
グランドスラムの本戦から出られるのはトップ100人、世界ランキングで100位以内に入ることに大きな意味があるのです。

内山選手の対戦相手のティアホーは、今年のUSオープンで、ナダルを破り準決勝まで勝ち上がり、優勝したスペインの新鋭アルカラスに破れはしたものの、フルセットの激闘を演じた選手です。

ティアホーは、USオープン後のインタビューでこう語っています。

「2週間をこの大会で過ごすというのは、世界で1番タフなことだといつも思っている。2週間、何試合も戦うというのは簡単なことではない。タフなテストだね」

グランドスラムで初のBest 4になった感想では、

「正直なところ、まだ実感がわかないんだ。でも、僕の人生で最もクレイジーな2週間だった。夢にまで見たことだ。でも、少し足りなかった。僕は今年のグランドスラムでラファ(ナダル)を破った唯一の選手なんだ。グランドスラムで彼に勝つのは簡単なことではないけど、ここニューヨークで、みんなの前で初めて彼を倒し、その意味を理解するのはクレイジーなことだったね」

僕は、楽天ジャパン・オープンの後、練習コートで内山選手に話を聞くことが出来ました。

「正直、試合中に実力の差を感じショックを受けました。正面から戦っても難しいと感じたため、少し無理してでも先に責める展開にしました。そうするとやはりミスが出てしまい、焦りが出て、ゲームを先行されてしまった……。
これがトップ選手との実力の差であり、そこに気付かされた大会でした」

トップ選手は自分は無理をせず、相手に無理をさせて勝つことができる。
それはベースの実力が高いからこそ出来る技なのです。

最後に、これからその差をどうやって詰めていくの? と質問すると

「地道にコツコツとベーシックな練習をしていくしかないんだけれども、いつの間にか自分のテニスが、下のカテゴリーの大会のテニスになってしまっていたのに気付きました。やはりこの場所(ATP大会)でプレーしたいので、自分の長所を伸ばして戦っていきたい」

と答えてくれました。
世界に挑戦している姿、格好良いです。

 
 
 
 
 
 
 
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