今、アジアが面白い。
April 12, 2024
CONTENTS |
|
Directed by Tateyuki Adachi |
|
毎日の食卓に並んでいるものは、スーパーからやってくるわけではなく、畑や牧場や山や海などの自然の中からやってくる。当たり前だが、それは誰かが育てていたり、収穫していたり、狩に行っていたり(あまりないか…)、漁に出て獲ってきたりしているものだ。 都会育ちの僕は、ついついそんなことはすっかり忘れ、美味しい料理を簡単に残したりしているが、農園に来てみると、途方もない時間と手間がかかっている農産物を目の当たりにして「あ〜〜大切に食べないと」と実感する。 もし農園にも行かずに、都会のお店のLabでチョコレートを作っていたら、全然違うプロダクトが出来上がっていたことだろう。 普段行く農園は、南米のペルーやブラジル、ボリビア、ベネズエラであったり、アフリカのタンザニアやマダガスカル等が多く、アジアの農園へは、ベトナムくらいであまり行っていなかった。それはクオリティの高い豆を作る農園が、南米やアフリカに多いからだが、近年アジアの勢いは良く、無視できない存在になってきた。 アジアの中でインパクトがある存在の一つは、インドネシア。都会ジャカルタと、地方との差は大きく、ちょっと日本では考えられない昭和の田舎生活のようなものが、まだまだ農村部には残っている。 2023年の経済成長率は5.5%(日本1.3%)、人口は世界4位で2億7753万人(日本1億2200万人)。皆スマートフォンを持っているので、都会と田舎の間に情報格差がないのは、20年前とは大違いだ。食べ物、ファッション、エンターテインメント、アートや研究まで、街を見ていて田舎だなと思うことはほとんどない。 インドネシアだけでなく、アジアでカカオを生産している国(ベトナム、台湾、タイなど)が面白いのは、そのクオリティだけではなく、Bean to barに使うカカオ豆の生産(農業)から、流通、販売(消費)までが自国の中で完結出来るところにある。 これは南米のペルーやボリビアでは見られないことだ。南米やアフリカには、Bean to barを買うマーケットがほとんど存在しない、と言う意味である。 インドネシアや台湾では、ハイクオリティのカカオを作り、国内のBean to barブランドがチョコレートに仕上げ、その国の中でも販売する。1国の中で川上から川下まで、全てを見ることが出来る。実に有利な環境だ。 |
例えば、日本の“さくらんぼ” はコモディティ商品から、1粒1000円以上の高級品種まで、かなりの進化を遂げてきている。 これは、日本国内に高級マーケットが存在し、その反応を見ながら品種改良を繰り返すこと、また市場に競争原理が発生し、競合品種との “違い” を作るために、農家が工夫を繰り返しているからである。 これがアジアのカカオ農園、コーヒー農園、それ以外の農園で今、起こっていることである。 大学の研究期間と共同研究を行い、品種改良や味の違いを作り出し、マーケットの反応を見ながら、マーケティングまで行う。 近い将来、アジアの高級カカオ豆やコーヒー、フルーツが、高級マーケットにおいて、世界を席巻するのだろう。 |
Written by Tateyuki Adachi |
Vol.199 |
インドネシア2 |
インドネシアはめちゃくちゃ広くて、日本から来るよりも時間がかかる国内移動に手こずっています。 首都ジャカルタから、行きたい場所まで24時間かかったりするのです……。 アジアだし、近いっしょ、くらいにナメてると完全にやられます。 今来ているスマトラ島のアチェ州タケンゴンという村まで、ジャカルタから飛行機を2本乗り継ぎ、車で15時間かかります。ここはイスラム教が強い地域で、ラマダン中の1ヶ月間、日中ほとんどのお店が閉まっています。人々は断食していて、日中は水も飲みません。子供たちは最初の1週間、学校もお休みしてお祈り期間。女性は肌を出してはいけないし、お酒も飲まず、豚肉も食べない。しかも、結婚している人が不倫をすると、今でも鞭打ちの死刑になるというのだから、めっちゃ厳しいイメージしかないのですが、イスラムの人々と1週間過ごしてみて、彼らに対する印象がガラッと変わったのです。 まず、彼らはラマダンをとても楽しみにしています。日が暮れる18時30分頃になると、皆がいっせいに外に出たりご飯を食べだします。それは、今まで我慢していた事を一気に解放するように、ホテルではお酒なしの宴会が始まり、歌い踊るのです。ニコニコと僕らの手を引っ張って、一緒に楽しもう、と! 奥様グループの間では、ヒジャブや洋服にドレスコードを設け、お揃いで出かけるのが最近の流行だとか。 どこに行っても人々は優しく笑顔で、差別するような感じは受けないし、独特の危ない空気もありません。よそ者を上から見ている感じがなく、自分達の懐に入れて、歓迎してくれるのです。 街中で外に座っていた人と話していると、家の中に「入れ、入れ」とグイグイ引き入れてくれて、コーヒーもお菓子もいただいちゃいました。 ラマダン中、人々は1日5回、お祈りタイムに入ります。 この1ヶ月の断食期間が終わると、子供たちはおもちゃやお菓子を買ってもらえるらしく、ラマダンは大人も子供もとても楽しみにしているイベントだったのです。 僕もラマダンが好きになりました。 面白いですね! |
green bean to bar CHOCOLATE 代表 安達 建之 |
TATEYUKI ADACHI website |
シャワー浴びてるお爺ちゃん 話してたら、「お前も浴びてくかぁ」って、誘ってくれたけど、ちょっと迷った Have a good weekend!! |
https://greenchocolate.jp | |||
|
|||
©2019 green bean to bar CHOCOLATE. ALL RIGHTS RESERVED. |