熟成期間で味が変わる。

CONTENTS

BE CACAO LOVERS
ちょっと深い商品のお話
WHAT'S UP BOSS
代表の安達建之によるコラム
HAVE A GOOD WEEKEND
ごきげんな週末を！

Directed by Tateyuki Adachi

カカオとチョコレート、味の変化についてです。

カカオにはたくさんの種類があり、色も大きさも重さも、もちろん味も風味も違います。カカオから出来るチョコレートも本来は、その種類ごとに味も特徴も違ってきます。
ビーントゥバーチョコレートが、カカオとオーガニックシュガーだけで作られているのに、ベリーやシナモン、ナッツ、たばこ、トーストなど様々な風味に例えられるのは、本来カカオが持つ素材の力が引き出されているからです。

チョコレート作りの工程において、素材の力を引き出すのに一役買っているのが「熟成」です。
あまり知られていませんが、じつは大事な工程の一つ。研究が始まったばかりの分野になりますが、熟成して3〜4ヶ月経つと、酸味・苦味・渋みが柔らかくなる分、アロマを強く感じるようになることがわかっています。

greenでは長いと8ヵ月、短くても1ヵ月はチョコレートを寝かせています。
梅酒に例えると、作ったその年は青梅の爽やかさが前面に出ているけれど、2、3年寝かせると深い味わいになるような感じです。

ベネズエラ産の「チュアオ」では、出来たてはバナナの香りがしますが、数カ月熟成させると、オレンジのような柑橘の香りを強く感じられるようになります。それはバナナの香り成分が柑橘よりも分子量が小さいので、先に飛んでしまうからなのです。
食べたときの印象では、軽いバナナの香りから始まり、その後に柑橘の香りが訪れるといった感じです。熟成期間によって味に変化が出てくるので、どの辺りで熟成を止めるのかがポイントになってきます。チョコレートメーカーはそのタイミングを見計らっています。

greenの店舗でチョコレートを試食しながら、お気に入りの1枚を見つけてください。

Vol.201

Cafe

先日、妻とお茶をしながらお喋りしていると友人とバッタリ。3人でお茶することに。
妻と友人は初対面でしたが、友人の気さくな振る舞いと、周りを明るくするトークですぐに場があたたかくなりました。友人は、僕のコラムを４年間も読んでくれている長年の読者で、初めて会ったのはWHITE GLASS COFFEE。偶然隣に座り、僕の話をしているのが聞こえたので挨拶することになったのが、きっかけです。

さて、今回はCafeという場についての話をしようと思います。
WHITE GLASS COFFEEを作った時に、お客様と話をたくさんする接客をしたい、と伝えていました。
仕事の話なんてしなくていいので、
「元気ですか、おはようございます、暑くなりましたねー」
「今日もお顔が見れてよかったです！」
みたいな会話をお客様と出来るような関係性を作りたい、と。

レジに列が出来ていたり、お店が混んでいると、なかなか会話しにくいですが、それでも一言二言は出来ます。
これを、日本でするのは難しい…。
スタッフも照れちゃうし、お客様も慣れていないので。

アメリカに住んでいた時、スーパーのレジで延々と話をするスタッフとお客、これに何度遭遇したことか。列が長くなっていることなんてお構いなしで、ベラベラ喋っている。そのうち後ろの人も会話に入ってきたりして…。

最初の頃は
「えぇーー、早くしてよー」
と、思っていましたが、そのうちに
「オレ、もしかしてそんなに急いでないのかな？」
と、思えるようになってくるのです。
そして、会話に入ったほうが面白い人生かも、と。
なんともアットホームな日常ですよね。

日本でやったら…。

友人との楽しい時間が終わり、出口に向かうとカナダから来ている別の友人とバッタリ。
ここでも、5分くらいペチャクチャと。
1番目か2番目か分からないけど、とにかく僕が大好きなチョコレートブランド「SOMA」のオーナー夫妻で、彼らはGREEN THUMBのパンとWHITE GLASS COFFEEのコーヒーが大好きで、そのために年に一度日本を訪れ、お店の目の前にあるホテルに宿泊するのです。

僕は、こういう時間が大好きで、偶然に人々が集まってきてガヤガヤするのが “Cafe” の良いところだと思っています。そういう場所をこれからも作っていきたいです！

green bean to bar CHOCOLATE　
代表　安達建之

TATEYUKI ADACHI website