チョコレートの祭典が築き上げてきたもの。

October 18, 2024

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CONTENTS
  1. BE CACAO LOVERS
    ちょっと深い商品のお話
  2. HAVE A GOOD WEEKEND
    ごきげんな週末を!
Directed by Tateyuki Adachi
Written by Tateyuki Adachi
全米最大のビーントゥバーチョコレートの祭典「The Northwest Chocolate Festival」。主催者ブライアン・シスネロス(Brian Cisneros)氏×カカオ鑑定家クロエ・ドゥートレ・ルーセル(Chloe Doutre Roussel)氏との対談をお送りします。
安達:The Northwest Chocolate Festival(以下NWCF)の始まりについて教えてください。
ブライアン氏:フェスティバルを始めた2008年は、北米には6つのチョコレートメーカーがあるだけで、クラフトチョコレート市場はまだ始まったばかりでした。当時シアトルに住んでいる人たちは、普段口にする農産物や肉などの食材がどこの農家で生産されているかということに興味を持っていました。
それならば、チョコレートメーカーを一つの場所に集めて最高のチョコレートを用意し、どこで誰がどのように作っているのかを伝えるイベントを企画したらどうだろうか?と考えたのがNWCFの始まりです。
クロエ氏:NWCFに実際に参加して感じるのは、ブースを訪れる人たちが、原産地や製造プロセスについて、強く関心を持っていることです。

ブライアン氏:参加者から、カカオ農家は誰ですか?バーには何が入っていますか?と聞かれて、答えられないチョコレートメーカーは、私たちのフェスティバルで成功することはありません。
安達:NWCFの魅力はどんなところだと思いますか?

クロエ氏 : 一般的なフェスティバルは、チョコレート販売が中心で、コミュニケーションの場はありません。NWCFでは、教育を軸としたセミナーや会議の場を多く設け、チョコレートメーカーやカカオ農家など、関係者が集結し意見交換を活発にしています。

安達:確かに、対話を大切にし、お互いをリスペクトし合う雰囲気を感じます。

ブライアン氏:チョコレートメーカーになり、成功するには多大なる献身と情熱が必要です。そうした人たちが集まると、たくさんの対話と友情が生まれます。
安達 : 過去10年間、ビーントゥバー業界はどのように変化してきましたか?

ブライアン氏:カカオの原産国でもチョコレートを作るようになったことです。ニカラグアやペルーなど、カカオが栽培されている国で、受賞歴を持つチョコレートメーカーが次々と誕生し、バリューチェーンにおける公平性が高まって、カカオ農家と直接取引する人々が商品に誇りを感じるようになったのは非常にポジティブなことです。
安達 : なるほど、確かにカカオを求めて世界を旅していると、カカオ農家がチョコレートを作る、いわゆる“Tree to bar” の現場に出会うことが増えていますね。一方で、良質なカカオを作っても生活が豊かにならず、困っている人達もたくさん知っています。
クオリティの高いチョコレートを作るブランドが増えていくことが、カカオ農家を支援することにつながります。だからこのようなフェスティバルを通して、そういうブランドが増えることを願っているし、僕らも品質の高いチョコレートをたくさん作っていきたいと思っています。
安達: greenは2017年から出展しています。どんな印象を持っていますか?

ブライアン氏:greenは、日本だけでなくアジア全体の市場においてクラフトチョコレートのパイオニアだと思います。デザイン、品質、商品が消費者に届くまでの細部にわたり考え抜かれている点は、他の多くのチョコレートメーカーが見習うべきだと思います。また、クロエ氏のような世界有数の専門家がそばにいることが、ブランドの未来にさらなる価値を加えると思います。
安達:NWCFの今後の展望はありますか?

ブライアン氏:現在28か国から100社以上のチョコレートメーカーが参加しています。クオリティを保つために規模はキープしながらですが、開催地は他の都市にも広げてみたいですね。

安達:東京という選択肢もありますか?

ブライアン氏:そうですね、日本も素晴らしい場所だと思います。近年カカオやスペシャリティカカオの栽培が驚くほど拡大し、ビーントゥバーブランドの輪が広がっているアジア市場に注目しています。フェスティバルを通して、教育、コーチング、インスピレーションを与える場にしたいです。greenと一緒に、東京でフェスティバルが出来たら最高です!

安達 : 実現に向けて話し合っていきましょう。
対談を終え、NWCFはビーントゥーバーの世界を盛り上げるのに大きな役割を担っていて、カカオ農家からお客様までが一体となり、皆が学び楽しめる場になっていると感じました。
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朝6時の焙煎場は豆を焼き、出荷作業に追われていた。日本でもアメリカでも焙煎場では、ヘッドフォンをしているスタッフを見かける。そういうスタイルなのかな
Have a good weekend!!
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