3%が変われば未来が変わる。

July 1, 2022

 
 
 

1. CACAO JOURNEY
    私たちの“旅路”をレポート

 
 

2. WHAT'S UP BOSS
    代表の安達建之によるコラム

 

「種の図書館」を作って
在来の種を育成し、
各地に細々と残る文化をつなぐ
ジョン・ムーアさん。

世界情勢や気候変動による
さまざまな悪影響に対して
見ぬふりができなくなってきた昨今、
私たちが未来のために
できることってなんだろう?

彼の行動から
greenが目指す先が見えてくる。

本物の土と種で育つ野菜を

農家が自ら野菜の種をつなぎ、その土地ならではの野菜を作っていた昔に比べ、現在スーパーで流通している野菜は栄養価やミネラルが格段に下がっているとジョンさん。世界規模の巨大なセントラルシステムが人々の食や健康を脅かしている中で、私たちが未来のためにできることってなんだろう。

「本物の土、本物の種で育つ野菜を食べてください。ベランダで育てた葉っぱ一枚でも、毎日食べれば胃や腸内の多様性が増し、あなたの体は全然違うものになるはずです」。

本物の種、本物の土とは「生命がつながっている」もの。種から種へと遺伝子を引き継がれ、多様な土壌微生物が棲む土から生まれる野菜を手に入れるには、そうした生産者とつながるか自分で育てるしかない。シーズ・オブ・ライフでも行っているような「種の交換会」やプランターづくりのワークショップなどで、種を譲り受けて育ててほしい。ペットボトルの中でもいいとジョンさん。そんな日々の行動が世界を変えると言う。

目の前の本物を見て
チョイスを怖れないこと

「私は人生の30年分の情報を捨てることから始めました」。高知に移住し、シーズ・オブ・ライフを立ち上げてから、常に生の情報に接し、そこからチョイスを重ねてきたジョンさん。「一つひとつ、生で見る、見る、見る。感じる。私は自分がわからないものを見たいです。経験したいです。大学も先生も必要ありません。大事なのは、自分の目で見て、イマジネーションを使うことです」。

「Choice is Magic」とはジョンさんが大切にしている考えの一つだ。置かれている現状をなげくのではなく、今できることをやり続けていく。小さくても、3%でも変えていくことに意味がある。子どもに対しても、「危ない」「汚い」「やめて」といったマイナスの言葉をくり返してその子の頭と心を閉めてしまうのではなく、「できるよ、やってごらん」とチョイスの幅を広げるほうがいい。自分でチョイスしたことの半分は失敗や間違いかもしれないが、それも経験になる。チョイスは多様性を広げ、未来を作ると。

「オンラインで年齢も国境も超えてつながれる今だからこそ、できることがあるはず。諦めずに取り組めば、あなたもチェンジメーカーになれます」

■ プロフィール
ジョン・ムーア JOHN MOORE
ローカルエコノミーインキュベーター/オーガニックプロフェッショナル

英国シェフィールド大学教育学部卒業し、教師を経てロンドン、ニューヨークの広告代理店に入社し、ブランドマーケティングを担当。その後日本へ移住。電通に入社し、コピーライターとして活躍したのち、パタゴニア日本支社長を勤める。現在は「SEEDS OF LIFE」代表として、種子の保護・生育活動に従事。

http://www.seedsol.org/

 
 
 
 

Vol.112

ベネズエラ

2年ぶりの南米はベネズエラ。

首都カラカスは世界一治安の悪い街に選ばれるなど、犯罪の多さは折り紙付き。日本からはだいぶ遠い社会主義国家ということもあり、知り合いでもほとんどの人が行ったことのない国です。

成田からメキシコシティに入り、トランジットが12時間と厳しいスタートに。夜中の3時の便でパナマを経由し、カラカスへ入りました。

ベネズエラは経済状況が非常に悪いので、失業者や貧困者が多く、治安を悪くしています。

ベネズエラ政府による独裁体制に対する批判も多く、首都のカラカスではデモや暴動も頻発していて、安定する気配はありません。

通貨はボリバル。インフレやハイパーインフレが頻繁に起こるので、公的な為替レートは機能せず闇の換金所の闇レートで換金しますが、現在はCashが市中に足りていなく、銀行にはCashを下ろす人が長蛇の列をなし、1日に下ろせる金額も約千円まで…ガソリンスタンドにも長蛇の列です。

また、政府が新紙幣を頻繁に発行する為、ベネズエラ人の友人も、どのお札がいくらの価値があるのか分からず、クレジットカードかドルを使っているのです。

こうやって、お金って価値が無くなるのかと、初めて実感しました。ベネズエラでは、お金は信用出来ないし、機能していないので、ほかの物に価値を見出す必要があるのです。

信じられますか、お金の価値が無くなる日が来るのを。

今回の旅の目的の一つは、世界中のチョコレートメーカー達が愛して止まないカカオ、チュアオ。それが栽培されているチュアオ村を訪れることです。

450年前から受け継がれている伝統製法で、今でもクオリティを保ちながら栽培している特殊な村が、どんな所なのか。どんな人達が、どんな想いを持って作っているのか。

それを現地で取材し、来週号で皆様にお伝えしようと思います。

日本経済は米国の後を追っていて、最近特に二極化が進んでいるのを感じます。今まではそこまで気にしていなかったのですが、コロナ禍に何度か身近に感じる出来事が重なり、あれっと思うようになりました。ここベネズエラに来てみると、2極化の最先端を体験する事ができ、日本の未来を隙間見ている様な気がします。

将来の準備を早め、次のステップを踏み出す時期が近づいているのではないでしょうか。

さてさて、greenでも販売しているチュアオ。その栽培から発酵現場を見て、村の人達と実際に会うことによって、チョコレートを美味しくするヒントを見つけてきます!

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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