つややかさの秘密

October 8, 2021

 
 
 

1. CACAO LOVERS' LOUPE
    虫眼鏡で見るビーントゥバーの世界

 

2. WHAT'S UP BOSS
    代表の安達建之によるコラム

 

3. NEW TOPICS
    今!起きている最新ニュース

 
 

数カ月間熟成させたチョコレートは
つやとなめらかさを出すために
バーにする直前にテンパリングを行う。

テンパリングとは
チョコレートに含まれるカカオバターを溶かし、
安定した細かい粒子に
結晶させるための温度調整のこと。

カカオ豆と砂糖だけで作る
greenのチョコレートバーでは
仕上がりを左右するカギとなる。

テンパリングで
カカオバターの結晶を整える

テンパリングの工程は、一般的に、ボウルの中の温かいチョコレート(45〜50℃)を2/3量ほど、冷たい大理石の台に流し、ヘラで攪拌しながら温度を下げていくというもの。25〜27℃まで下げて結晶をしっかり作ってからボウルに戻して混ぜ合わせ、最終的に32〜33℃に整える。チョコレートの色や手に伝わる重たさの変化を感じながら、スピーディかつ正確にテンパリングを行うには、確かな技術と経験が必要だ。

greenでは、熟成前に機械でテンパリングを行い、バーに仕上げる直前に再度、手作業で行っている。製造量に合わせて独自の方法を取っており、その様子はぜひ、ガラス張りのラボで実際に見てほしい。

2度目のテンパリングを機械ではなく手作業で行うのは、その方が確実だから。カカオ豆と砂糖だけでつくるチョコレートはどろっとしていて機械をスムーズに通らず、機械で正確にテンパリングするのが難しい。またモールドに流す際も機械ではキレが悪く、分量を正確に計れないからだ。

産地により重たさが違うのも
ビーントゥーバーのおもしろさ

テンパリングがきちんとできているかどうかは、パレットに少量たらして15℃に冷やし、確認する。うまく結晶が作れていればつやのあるきれいな質感に。作れていなければ白い結晶が浮いたり、色がまだらになっている。ここでしっかりカカオバターのきめ細かな結晶を作っておければ、型に流して固まる際、結晶は「右にならえ」できれいに揃い、つやが出て、結晶の融点も揃うので口溶けがよくなる。

余談だが、板チョコは19世紀の半ばにイギリスで生まれた。カカオ豆をすり潰して砂糖を加えたどろどろとしたものに、カカオバターを加えることで機械の管を通るようになり、大量生産が可能になった。今でも大手メーカーでは、チョコレートになめらかさを出すためにカカオバターやレシチンを加えている。製品として出回っているカカオバターの多くは脱臭、脱色をしているためカカオの香りはしない。追油することで薄まってしまった香りを、バニラで補うのが一般的だ。

カカオ豆の約55%はカカオバター。つまりgreenのカカオ成分70%のチョコレートバーの場合、38.5%はカカオバターということになる。もちろん、原料のカカオ豆そのものが持つカカオバターだから、ちゃんとカカオの香りがする。

テンパリングは、チョコレートの1/3以上を占めるカカオバターの結晶を整えるということだ。ところがカカオの産地により、カカオバターの含有量も違えば融点も違う。融点が低くサラサラで扱いやすいものもあれば、マダガスカルやベトナムの豆は融点が高くてすごく重たい。型に流すことを考えると、ある程度流動性を残した状態で仕上げなければならない。これぞビーントゥバーの難しさであり、おもしろさでもある。

 
 
 
 
 
 

Vol.82

Fukuoka

福岡も秋っぽくなってきたと同時に、空港やホテル、街にもだいぶ人が戻ってきているのを感じます。

green福岡店は天神地区にありますが、その隣の今泉、赤坂、そして薬院まで足を延ばしリサーチしてきました。

福岡は常に新しいお店ができているので、歩いていても楽しい街です。僕は大濠公園のエリアが好きなので、もし新しいお店を出す機会に恵まれたら、公園の近くがいいなと思っています。(それは、公園に遊びに行きたいだけかもしれませんが…)

最近注目しているのはパン屋さんです。進化系のパンというか、新しいジャンルのパンを次々に生み出すお店が出てきているのです!

「AMAM DACOTAN」はいつ行っても長蛇の列。見た事のないような調理パンを生み出しているお店で、博多駅にも新店舗がオープンし、今月いよいよ東京・青山にも出店が決まっている、今一番勢いのあるお店です。

「Full Full」も見ていて楽しい、食べたら美味しいパンがたくさん。そしてなんと言っても「pain stock」は、福岡ベーカリーの代表です(私調べです)。

オーナーシェフの平山さんは、他の人気店の開業にも多く関わっていて、名店の影に平山ありと言われる、優れたプロデューサーであり、ブランジェなのです。

1店のお店から、アメーバのように分裂し、新しい生態系を構築している福岡のパン事情、目が離せません!

 
 
 
 
 
 
 
 
 

green bean to bar CHOCOLATEの
最新ニュースをキャッチ

 
 

『ALPACA 75%』
オンラインショップ販売再開

大規模な地すべり災害により輸出入がストップしていた、南米ペルー・マラノンキャニオンのカカオ豆。少しずつ現地の復旧が進み、ついに私たちのもとへカカオ豆が届きました。
サプライヤーであるMaranon Chocolateさんに感謝の気持ちをこめて。『ALPACA 75%』オンラインショップにて、本日より販売再開です。

Vol.77 でカカオ豆について振り返る

 
 
 
 
 
 

 

オーナー・安達
10月10日 ラジオ出演

10月10日(日)23:00〜23:54、J-WAVEの番組『TOPPAN INNOVATION WORLD ERA』に、オーナーの安達が出演します。
ナビゲーターは、ASIAN KUNG-FU GENERATION の後藤正文さん。映画祭をはじめ、チョコレートにまつわることを幅広くお話ししております。ぜひ、お聴きください!

詳細はこちら

 
 
https://greenchocolate.jp
 
 
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