和紙で包むということ
November 5, 2021
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1. CACAO LOVERS' LOUPE 2. WHAT'S UP BOSS 3. NEW TOPICS |
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型から外したチョコレートは カカオ豆がチョコレートになるまでは、 オリジナルにデザインした和紙で |
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仕上げもやはり人の手で。 15℃で1日かけて冷やし固め、型から抜いたチョコレート。「パキッと割っていますぐ口に入れてみて。絶対においしいから!」という声が聞こえてきそうな、なんともそそられる面構え。でも包装する前にもうひと作業残っている。柔らかいブラシでチョコレートの細かいかけらを落とすのだ。 |
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そうして完成したチョコレートは、スタッフが一枚一枚包んでいく。柔らかな金紙はシワがつきやすいのでなるべく触らないように。張りのある和紙はきっちりと角を取りながら。金紙や和紙の大きさは、バーのサイズにドンピシャリ。資源も動作も一切のムダがなく、しなやかに、多い日は1000枚ものチョコレートを和紙で包む。 |
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見えないけれど バーを包むものを和紙にするという発想は、greenのオープン当初からあった。ベースの柄は、日本の伝統的なモチーフをもとにオリジナルで描き起こした8種類。その他、季節限定やコラボレーションといった特別なチョコレートには異なるデザインを使っている。 ところが、実際に和紙で包んでみると、ある問題にぶつかった。わずかではあるが、和紙の印刷に使うインクのにおいをチョコレートが吸収してしまうのだ。それでも和紙を諦めず、たどり着いたのが、和紙をオーブンで熱してにおいを飛ばすという方法。ラボでは今でもチョコレート作りの合間に和紙を数枚ずつオーブンに入れ、地道な作業を続けている。 |
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そこまでして和紙にこだわるのは、和紙に感じる人の手のぬくもりや思いが、greenのチョコレートに通じるから。さらに、日本人は昔から人にものを贈る時に、感謝の気持ちを込めて和紙で包んできた歴史があり、「和紙で包む」という所作そのものに、日本の伝統と美意識が息づいているからだ。 カカオの生産地からgreenのラボまで、たくさんの人の思いが重なってできる一枚のチョコレートには、「見えないけれど大切なもの」が、確かに宿っている。 |
Vol.86 不確実性をどう生きるか 河合隼雄学芸賞と大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞した小川さやかさん。立命館大学の教授で、「タンザニア商人のルールに縛られない生き方」を研究されています。 タンザニアでは、役所での手続きに1年かかることもあるのに、袖の下からお土産を渡すとあっという間に申請が下りる、というのはよくある話だそうです。 汚職や賄賂が、自分を自分で守るセーフティネットというわけです。 お金の貸し借りについても、興味深い考え方をしています。 日本では、お金を返さなければ犯罪と同様に扱われ、友人や知り合いを優遇すれば不公平だと叩かれます。社会の流れと違う方向の発言をすればOUTになり、自由な発言や、人と違う生き方はしづらくなっています。 しかし、本来人生は不確実性なものです。何か不運が起こったとしても、その人に全ての責任があるわけではなく、自分の身に何が起こるかは分からないものです。 不確実性とは、努力して上手くいく時もあれば、いかない時もあるということ。 タンザニアの人たちのように考えられれば、日本の若者も少しは楽になるのではと、思いました。 |
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第34回 東京国際映画祭 10月30日(土)に開幕した、第34回東京国際映画祭。期間中、東京ミッドタウン日比谷のステップ広場で開催される屋外上映会にて『The Taste of Nature 世界で一番おいしいチョコレートの作り方』が上映されることになりました。街中の華やかな装飾とともに、芸術の秋を盛り上げてまいります。 |
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