理想の口溶けのカタチ

October 22, 2021

 
 
 

1. CACAO LOVERS' LOUPE
    虫眼鏡で見るビーントゥバーの世界

 

2. WHAT'S UP BOSS
    代表の安達建之によるコラム

 

3. NEW TOPICS
    今!起きている最新ニュース

 
 

テンパリングを終えたチョコレートは
絞り袋に移し、モールドに絞り出す。
バーのひとかけらを口に入れた時に
噛まずに溶ける薄さにするために
1枚1枚、重さを量りながら。

口の中でチョコレートがすっと溶け、
余韻が続く。その時々で異なるアロマを
よりヴィヴィッドに感じられるのは
考え抜かれたこのカタチによる。

モールドでの型取りも
手作業である理由は

テンパリングにより、最終的に32〜33℃に整えられたチョコレートを、二人がかりでボウルから絞り袋に移す。greenのラボではこの光景が日常だ。

大手メーカーではテンパリングも型取りの工程も機械化されている。町のチョコレートショップであっても、機械を通したチョコレートをモールドの高さぎりぎりまで流し、あふれる分をすり切って落とすというのが一般的だ。でも、カカオバターなどを添加しないgreenのチョコレートはそもそも流動性が低くて機械をスムーズに通らない。加えて、完成した時のバーの厚みや、見た目の美しさを大切にすると、手絞りは必然といえる。

モールドは昔ながらの板チョコを思わせるシンプルなものを使用。完成したバーひとかけの満足度があり、口溶けがよい厚みはといえば6〜7mm。逆算するとバー1枚が55gになる。絞り出したチョコレートが55gになるよう、スケールで確認しながら作業を進める。

greenのチョコレートは
オーケストラの演奏に通じる

絞ったチョコレートは上下に小刻みに動くタッピングマシンで均一にならし、最後はやはりスタッフの手で空気を抜き、冷やし固める。完成したバーはとてもつややかで、色気すら感じられる。

ここでチョコレートをひとかけら、口に入れたところを想像してみてほしい。すぐに鼻腔の奥でアロマを感じるだろう。やがて舌では温度やテクスチャーと、甘み、酸味、苦味といった味覚が広がっていく。

そして、香りや味わいの印象は変化する。口に入れた最初のアタックで酸味を感じ、溶けてクリーミーさが出た時にはフルーツの香りが強まり、あとに続く余韻はまた別の風味を感じるというように、主に3段階でさまざまな要素が立ち上がってくるのだ。

音楽に例えるなら、カカオ豆が持っているいくつもの楽器がオーケストラとなり、互いのパートを尊重しながら演奏しているよう。greenでは、その見事な演奏をひとかけらで堪能できるためのカタチを追求している。

 
 
 
 
 
 

Vol.84

ダイレクトトレード

訳すと、「直接買付け」が1番近いかな?
greenのダイレクトトレードは、カカオの生産地まで行き、直接購入してくることを指しています。なぜそんなめちゃくちゃ手間がかかることをするのか? 商社を通せば南米やアフリカまで行かずにすむのに……
という話をしたいと思います。

結論から言うと、現地の生産工程や土壌、豆の品質、生産者とそのコミュニティを把握し、長く共に成長し合える関係性を作るためです。

世界で作られているカカオの95%は、私達が購入しているレベルのものではなく、大量生産のチョコレートに使われています。
これらは、農園内で少しでも多くの豆を生産するため、カカオの木に多くの実が成るよう科学の力を借りています。
一方、Bean to bar で使われるカカオは、量ではなくクオリティを重視するため、ケミカルなものを使わずに、発酵に手間と時間をかけています。

この工程を実際に見て、生産者と話しながら価格を決め、流通の手配を行います。
これを世界中を巡りながら、良い生産者を見つけ、作業を手伝い、交渉し、東京まで運んできます。
時には、村の祭に参加して一緒に夜通し踊ることもあれば、礼拝堂でのお祈りに半日参加することもあります。

なにしろ目的のカカオ林までたどり着くのに、日本から丸4日かかる遠い旅。
交渉からラボ到着まで、3年かかった豆もあります。

それでも商社を通して仕事を簡単に終わらせることをしない理由は、現地や生産者を知るのと知らないのではチョコレートの味が変わると考えているからで、なにより楽しいからです!

 
 
 
 
 
 
 
 
 

green bean to bar CHOCOLATEの
最新ニュースをキャッチ

 
 

『ALPACA 75%』
オンラインショップ販売再開

大規模な地すべり災害により輸出入がストップしていた、南米ペルー・マラノンキャニオンのカカオ豆。少しずつ現地の復旧が進み、ついに私たちのもとへカカオ豆が届きました。
サプライヤーであるMaranon Chocolateさんに感謝の気持ちをこめて。『ALPACA 75%』オンラインショップにて、販売再開です。

Vol.77 でカカオ豆について振り返る

 
 
 
 
 
 
https://greenchocolate.jp
 
 
©2019 green bean to bar CHOCOLATE. ALL RIGHTS RESERVED.
 

メルマガ配信の登録解除はこちら